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シネマクティフは「映画館で映画を鑑賞するたのしさを伝える」ユニットです

ブルックリン
(鑑賞後の方向け)

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ayumi_review

 

 

 

予告から
期待はしていたのですが、

やはり
衣装をはじめとする
色彩がとても美しかったです。

エイリシュが
強い意志をもったときに
身につける赤
(スカーフ、リップ、コート)や

アイルランドカラー
であるグリーン
(コート、水着、カーディガン)など

彼女の心情にあわせて
様々な色が溢れていました。

衣装だけではなく
ダンスや映画など
50年代に流行した文化を

違和感なく
取り入れた点も素晴らしく、

『雨に唄えば』
ジーン・ケリーごっこをする
ふたりの多幸感など

一瞬しか映らないシーンでも
丁寧に作られている印象。

ブルックリンで
横断歩道を渡るシーンが
二度ほどありましたが、

様々な人種が
行き交う様子は
アメリカという国の
縮図だと思いました。

本作は
コルム・トビーンによる
原作があります。

原作では
ブルックリンに戻る
道中で終わるので、

トニーと再会する
美しいラストシーンは
映画オリジナルです。

強いエイリシュの表情は
爽やかな余韻を残してくれました。

makochin_review

 

 

 

いかがでしたか。

食料品店の
ケリーおばさん
を除いて(笑)、

登場する人物が皆、
情愛に溢れていて、
映画を観ていて
とても心地良かったです。

女性しかいない下宿所は、
いかにもイジメが起きそうな
シチュエーションですが、

気がつけば
先輩たちが恋愛を
応援してくれていて…

なんて
優しいんでしょうか!

こういった師弟関係は
今のネット社会では
なくなりつつある
文化に思えて、

このあたりも
良いなと思いながら
観ていました。

ラストの2択は、
限りなく釣り合った
天秤のように
演出されていて、
緊張感があり良かったです。

マンスリー・シネマ・トークで
エイリシュの人間性に
好意的な感情を
抱けなかった方が
多くいらっしゃいましたが、

今ある関係性や状況から
(都合が良いように)
立ち回るのは
分かるというか、

そもそも人間って
そういうものじゃないのか
という気持ちがあって、

ここも特に
気になることもなく、
すんなり観られました。

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いかがでしたか?

色や光の使い方は
計算されていますし、

エイリシュの衣装や
風景も含めて、
とても美しい映画だった
と思います。

以前の
マンスリー・シネマ・トークで
お題になった『キャロル』

その時のレビュー
でも述べましたが、
それらの要素は
「木」で言えば
「枝葉」の部分であり、

私(ペップ)
重要視するのは
「幹」にあたる
「物語」の部分です。

そこがどうだったか
というと、

「描く物語」に対して
「時間が足りなかったのでは?」
という印象を持ちました。

「朝の連続テレビ小説の物語を
2時間にまとめたような感じ」
といえば、

私が感じた「違和感」が
おわかりいただけるでしょうか。

映画では
「行間を読む」
という楽しみ方がありますが、

本作の場合は
その「行間」を
「差し挟む余地すらない」
ように感じました。

逆に言えば
「朝の連続テレビ小説」として、
エイリシュの青春時代を
たっぷりと描くことが
出来たとしたら、

印象は
180°変わった
ような気がします。

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