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シネマクティフは「映画館で映画を鑑賞するたのしさを伝える」ユニットです

スポットライト 世紀のスクープ
(鑑賞後の方向け)

spotlight_for_
ayumi_review

 

 

 

豪華キャストでありながら、
派手な演出を加えなかった
トム・マッカーシー監督。

スポットライトチームの
地道な調査により、
徐々に事件の形が現れてきます。

映画では被害者の口から
事件について語られることで、
チームとともに観客も、
思いを巡らせることになります。

泣く被害者にも
言葉で説明するよう
強いるサーシャ。

閉館ギリギリまで
図書館で調べ物をする姿など、
いまでは珍しいかもしれません。

しかしこれぞ
報道の原点なのかなと思いました。

チームのなかでも
泥臭い調査をしていたマイク。

彼が記録閲覧室で
怒りをぶちまけるシーンは
『扉をたたく人』
ウォルターを思い出しました。

9.11後は
アメリカにとって不安な日々であり、
宗教に救いを求めていた
カトリック信者たちも
多かったのではないでしょうか。

そんななか
記事にすることが
どれだけ大変であったか。

鳴り止まない電話を
ロビーが取る
→大量の地名
→監督名

という終わり方も
素晴らしい作品でした。

makochin_review

 

 

 

いかがでしたか?

強い立場の人間が
弱い立場の人間に行う
許されざる大罪。

それを記者たちは
見逃すわけにはいきません。

しかしそれは
ある記者にとっては
祖母の信仰を辱めることであり、

またある記者にとっては
旧友に罪を咎めること
でもありました。

こうした複雑な状況を
スポットライトのメンバーは
悪いものは悪いという
客観的な尺度を第一に
記者という職務を全うします。

私(マコチン)にとって、
それはジャーナリズム精神
というよりも
正義感と呼びたいもので、

人間が捨てたくない、
持ち続けたい基本的な教えを
学んだような気がしました。

そして
この勇敢な物語を
監督したのは
トム・マッカーシー。

まるで
報道記事のような
脚色を感じさせない、
出来事を淡々と
積み上げていくスタイルで、

見事ボリュームのある
問題を描ききりました。

物語の内容と描き方が
呼応しているようで、

アカデミー賞作品賞と
脚本賞を受賞するのも
納得の出来栄えでした。

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いかがでしたか?

ボストンとその周辺でのみ
行われていると思われていた
カトリック司祭による
性的虐待事件とその隠蔽工作が、

実は世界規模で
行われていたことがわかる
ラストの衝撃!

おそらく今後も
忘れる事が出来ないでしょう。

そんな目や耳を
覆いたくなるような事実を
世界に伝える為の手段として、
本作はその役目を
十二分に果たしていると思います。

登場人物の多さで
顔と名前の一致に
苦労すること以外は、

実にわかりやすく
丁寧に物語が紡がれていく様は、

製作陣の
「伝えようとする」意思が
明確に見て取れます。

「スポットライトチーム」の
愚直なまでの仕事ぶりは、
もちろん観客の胸を打つのですが、

同時に
今後についての不安感も
私(ペップ)は感じました。

「新聞」という一大産業が
「ネットニュース」に
取って代わられようとしている
現在〜未来において、

はたしてここまで
調査に時間とお金が掛かる
「事件」を、
いったいどのメディアが
取材出来るのでしょうか?

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