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シネマクティフは「映画館で映画を鑑賞するたのしさを伝える」ユニットです

ハドソン川の奇跡
(鑑賞後の方向け)

sully_for_
ayumi_review

 

 

 

いかがでしたか?

本作は人間のさまざまな
「揺らぎ」が根底にある映画だ
と感じました。

自分の行動に対して、
果たして本当に正しかったのか?
と考えるサリーの「揺らぎ」。

PTSDに悩まされる彼の様子が
劇中何度も映し出されることで、
その苦悩が浮かび上がります。

そして、
事故に初めて遭遇して
どのように対処すべきか迷った
ふたりの35秒の「揺らぎ」。

この数十秒のあとの
不時着水選択から、
機械的なシミュレーションと
人間のこころの対比がなされます。

さらに、
過去の飛行機事故に対する台詞や
サリーの妻が
「住宅ローンはどうするの」と言う
電話の会話などから見える、

2009年当時における
アメリカの「揺らぎ」。

2001年同時多発テロ
2008年リーマンショック
を経たアメリカの様子を
サラリと描く監督、流石です。

空港売店の様子や、
機内でCAの注意を
全く聞いていない人々など、

搭乗直前の様子を
細部までリアルに撮っていたことも
好印象でした。

makochin_review

 

 

 

いかがでしたか。

“ハドソン川の奇跡”
の映画化となれば、

例えば不時着水のシーンを
クライマックスにもってきたりして、
いわゆる感動モノの映画が
出来上がりそうですが、

イーストウッド監督は
「サレンバーガー機長の判断の是非」
を物語の主軸にして、
極めてクールに描いています。

音楽はピンポイントと控え目な印象、
音量も小さめだったように感じます。

感情的なシーンが
多くなっても良い物語でしたが、
印象に残るのは
涙や歓声ではなく、
トム・ハンクスの抑制の効いた演技。

そして個人的に極めつけなのは、
ラストをサレンバーガーの言葉で締めない
イーストウッド監督の渋い判断でした。

被写体との距離の取り方が絶妙で、
描き方がクールであることを
象徴する1シーンだと思います。

このように演出が過剰でない分、
観客は比較的自由に
想像力を働かすことができます。

私は命を危険に晒された乗客たちに、
「生きたい」という
根源的で美しい感情を見て取りました。

pep_review

 

 

 

いかがでしたか?

なんという無駄のない96分!
冒頭の墜落(の悪夢)シーンで
掴まれてから、

最後まで
あっという間の鑑賞(=フライト)
でした。

乗客やNYの人々が
サレンバーガー(以下サリー)機長の
フライトに感謝したように、

私(ペップ)
イーストウッド監督の
ディレクションに感謝しました。

物語の本筋は
サリー機長の不時着判断の
是非を問う公聴会へと
続くだけなのに、

要所要所で挟まれる回想シーンや
PTSDで苦しむ描写としての
墜落シーンのダイナミズムで

(IMAX鑑賞の恩恵も相まって)
一瞬たりとも気が抜ける暇がない上に、

その臨場感で劇場を
USエアウェイズ1549便に
変えてしまうのですから、
監督の手腕には唸りっぱなしでした。

乗客のエピーソードの
挟み具合も絶妙で、
過不足がないとはこのこと!

こんな作品には
なかなか出会えないと思います。

“奇跡”を起こすのは
スーパーヒーローじゃない。

市井の人々こそが
アヴェンジャーズなのです!

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