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シネマクティフは「映画館で映画を鑑賞するたのしさを伝える」ユニットです

海街diary
(鑑賞後の方向け)

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原作は未読ですが
谷崎潤一郎『細雪』
向田邦子『阿修羅のごとく』など
四姉妹ものはよいですね。

広瀬すずさん演じる
四女のすずが
影のある人物を好演、

残りの三姉妹
それぞれとのエピソードが
丁寧に描かれていたのも印象的。

もちろん
4人集まるシーンも美しく、

しらすごはんを食べるシーンでは
姉3人が美味しい?と次々に質問、

「美味しい」と言った瞬間の
すずの顔は観客には見えず、

残りの三姉妹の嬉しそうな顔で
その反応がわかるのが
秀逸でした。

また喪服のシーンが
冒頭とラストに2回ありますが、
三姉妹それぞれの性格が
見事に衣装に表れています。

さらにすずが冒頭は
白のセーラーでひとり浮いていて
まだ馴染めていない感じ、

それがラストでは
海をバックに
紺色の制服となり
四姉妹に溶け込んでいます。

日本の四季が
味わい深いように
四姉妹それぞれが
美しく描かれた作品でした。

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登場人物たちの
何気無いやり取りが気持ちよく
楽しく鑑賞することができました。

ストーリーを語ることよりも
ひとつひとつのシーンを
丁寧に描いている印象を受けます。

そういった作り方が
漫画の映画化で陥りがちな
無理に尺を縮めた感じがなくて
得策だったような気がします。

桜、花火、浴衣、etc…
多少「日本」を
意識しずぎている感じ
(同時にカンヌを意識していた
ということだと思います)
が気になりましたが

日本人にとっては懐かしさを
外国人にとっては異国情緒を
楽しめる作品になった
のではないでしょうか。

残念だったのは
それぞれのキャラクターが原作に
引っ張られすぎているのではないか
ということ。

ラストの浜辺のシーンで
次女の「男と酒」発言には
しつこさを感じてしまいました。

キャラクターを重視するあまり
一面的な人物描写になっていました。

とはいえ、
綾瀬はるかさんと長澤まさみさんの
姉妹喧嘩や

広瀬すずさんのサッカーシーンなど
とても見応えがありました。

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いかがでしたか?

じっくりと時間を掛けた撮影で、
鎌倉の四季の移ろいとともに、
四姉妹の生活を描く本作。

劇中で描かれるエピソードは、
ほぼ全てが原作にあるもので、
アレンジはあえて最小限に
とどめられてると感じました。

是枝監督は、
原作の1巻を読んで
「自身の手で映画にしたい」
と思われたそうです。
(パンフレット参照)

で、あれば!

一巻のあのシーンに
是枝監督だって心を奪われたはず。

あのシーンとは、
お父さんの世話をしていたのが
現妻ではなく
すずであることを見抜き、

幸がその労をねぎらい
お礼を言うと、
堰を切ったかのように、
すずが号泣するあのシーン。

このシーンは、
子供でいる事が許されなかったすずが、
頼れる人の側で
安心して中学生のすずに戻る瞬間であり、

同時に自分の居場所がどこであるかを
見つける瞬間でもある重要なシーン。

ここをどう料理するかを
とても楽しみにしていましたので、

あんなにあっさり描いてしまったのは、
とても残念でした。

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