makochin_review

 

 

 

映画に大切な要素の一つ
「現実味」。

人物の台詞や行動に
「現実味」が欠けると
観客は物語についていけなくなります。

作り手は「説得力」を持たせるよう
映画を作らなければならないのです。

本作でいうと、
ジャールーが悪戯をするのにも、
「説得力」が必要だと思います。

チェン監督はその描き方が
さりげなく且つ巧妙で
素晴らしかったと思います。

本作では両親が共働きで、
あまりジャールーをかまってやれていない
ということがまず挙げられます。

それに加え、
祖父が亡くなった事も
重要な要素ではないでしょうか。

祖父の写真の傾きを
正そうとしたテレサに
「おじいちゃんに触るな」
とジャールーが怒ります。

このシーン1つで、
祖父が大好きだったこと、
と、
(祖父が亡くなった現在)
甘えられる場所がないこと、
の2つを描いているのだ
と私は解釈しました。

同時に
これからのテレサの苦労を
暗示させるシーンとしても
機能させているところがまた
監督の筆力だと思います。

投稿者 cinemactif

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