『ソロモンの偽証 前篇・事件』
いかがでしたか?
本篇がはじまる直前、
パンフレットの表紙に似た題字が出た時、
そのあまりの「宮部みゆき」さん推しに、
若干「いやー」な予感がしたのですが、
結論から言えば(少なくとも前篇は)
杞憂に終わりました。
近年で学校を舞台にした作品といえば、
『桐島、部活やめるってよ』
という大傑作がありますが、
それより下の中学生を演じる俳優陣の、
『桐島〜』に匹敵するほどのはまり役!
役に沿った演技を引き出した、
成島出監督の演出手腕は、
賞賛に値するでしょう。
なにより印象的なのは、
登場人物達の「目」。
時に真実を見ようと凝らし、
時に恨みや苦渋を滲ませ、
時にその決意を宿す。
「目は口ほどにものを言う」
という諺を持ち出すまでもなく、
その雄弁さは観客の心に刺さります。
また、随所にゾッとするような、
ホラー的演出があるのも、
事件を取り巻く世界の禍々しさに、
飲み込まれそうな感覚に。
素直に後篇が楽しみです!