ayumi_review

 

 

 

本作では美術品ではなく、
改修に関わる人々を
撮りきっているところに
好感を持ちました。

わたしが嫌いなドキュメンタリーは
過度な音楽・ナレーション、
インタビュー映像の羅列を用いる
類のものですが、

本作ではそのどれもを排し、
画も美しく
淡々と撮られている印象。

改修後の様子は描かれませんが、
代りにブリューゲルのバベルの塔を
アップにして映すことで、

絵のモチーフが
美術館そのもののように
見えてきます。

壊され構築する。
まさにこの美術館と言えます。

古き伝統を重んじつつも
照明にモダンアートを取り入れるなど、
挑戦する姿勢も
美術史美術館の魅力です。

エンドロールで
mitという前置詞とともに
作中で映った人々の
写真と名前がクレジットされます。

mitは英語のwithにあたるドイツ語で、
これだけの人々と「ともに」
作り上げたという提示になっています。

事務所をキックボードで移動する様子を
ワンカットで撮っていたのも
かっこよかったですね。

投稿者 cinemactif

cinemacit(シネマクティフ)はWEBサイト&マンスリー・シネマ・トーク&ポッドキャスト配信の3本立てで活動をしております!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください