クリント・イーストウッド監督の最新作
『アメリカン・スナイパー』は、
アメリカ国内だけで興行収入3億ドル突破
(‘15年2月25日現在)の大ヒット作ですが、
その内容はアメリカの右翼と左翼の人々の間で
論争が起きています。
はたして、本作は
イラク戦争の「伝説」的英雄を
賛美しているのでしょうか?
それとも、別の「なにか」を
我々に訴えかけているのでしょうか?
エンドロールが終わるまで、
席は立たず観て頂きたい作品です。
『硫黄島からの手紙』、
『父親たちの星条旗』で
戦争を撮ってきたクリント・イーストウッド。
御歳84歳の監督が本作で描くのは
米国史上最高の160人を殺したとされる
実在のスナイパー、クリス・カイル。
本年度アカデミー賞6部門ノミネート。
いまこの時代に
アメリカや中東を描く本作ですが、
戦争というよりも「人」の描き方に
注目していただきたい作品です。
テキサス州に生まれ、
幼いころから父親に狩猟を教わりながら育った
クリス・カイル。
「お前は弱い羊達を守るシープドッグ
(牧羊犬)になれ、狼にはなるな」
という父からの言葉を胸に、
大人になったクリスは
戦地イラクで銃を構えた。
本作は
『許されざる者』や『グラン・トリノ』などの
クリント・イーストウッドが描く、
Navy SEALsの“伝説”と異名をとった
狙撃手クリス・カイルの伝記映画である。