いかがでしたか。
何かと新しいものが
重宝されるこの世の中ですが、
新しいものだけが
自分に刺激を与えてくれるのか
と言えばそうではありません。
映画も同じで、
確かに映像技術の進化が
私たちをいつも刺激し
驚かせてはくれますが、
古い作品の中にも
新しさを発見し、
刺激を受ける事があります。
何が言いたいのかというと、
例えば歴史的に見れば
使い古された演出だったとしても、
感じるのは「自分」なのですから、
自分の価値観を刷新することは
古い映画でも可能、という事です。
ホント当たり前の話しか
できなくてすみません(笑)。
本作では、
円が画面いっぱいに広がって
幕を開けるオープニングシーン。
カメラが一直線に
猛スピードで後退していて、
そこにミシェル・ルグランの
多幸感に満ちた音楽が重なる。
こんなシーンは見たことがない!
と思うわけです。
半世紀以上も前の作品ですが、
私の目には十分に鮮烈に映りました。