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いかがでしたか。

気分が鬱々としてくる訳は、
ティエリー・トグルドーが
直面する状況に、

もしかすると自分も
「なりうる」という
リアリティーに他なりません。

このような題材の映画に、
本国フランスでは
100万人の動員があった
という事実は、
正直驚くべきことだと思います。

映画にひとときの安息を
求めている場合ではない、
極めて切実な状況にある
ということだと思います。

日本に暮らす我々も
他人事ではありません。

このティエリーに現前した
理不尽なシステムは、
利益を至上とした
現代のモデルであり、
世界が共有しているものだからです。

ようやくありついた職が
警備員というのが、
なんとも皮肉であり、
そしてこの物語を語る上では
相応しすぎる職業です。

ティエリー自身も
人を歯車から閉め出す側に
「なりうる」のです。

ブリゼ監督は
ドキュメンタリーではなく、
劇映画という形で、

この不完全な社会の仕組みを
忠実に再構築し、
可視化して見せたのです。

投稿者 cinemactif

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