いかがでしたか?
冒頭のジャングルの
疾走シーンを皮切りに
スピード感のある
ストーリー構成でした。
まるで本物のよう、
でもきちんと表情などが
作られている動物たち。
わたしは
ビル・マーレイのクマ、
バルーがお気に入りでした。
ただ、
あまりにも映像が美しすぎて、
声のある動物たちに
違和感を感じてしまいました
(すみません!)。
いっそのこと
『ロジャー・ラビット』や
『スペース・ジャム』のように
実写とアニメキャラクターの融合
という形でも面白かったのかな、
と思います。
ルピタ・ニョンゴ(声)は
途中からマズ・カナタにしか
見えなくなってきました。(笑)
クリストファー・ウォーケン演じる
キング・ルーイのシーンも
なんだか急に
スケールが大きくなりすぎて
唐突な印象です。
ただ、
多数のアクシデントなどをつなげることで、
はじめにつくったスピード感を落とさず、
エンドロールまで
こだわったつくり方だったので、
最後まで飽きない作品に仕上がっていました。
いかがでしたか。
見所は
ハリウッド屈指の
映像制作チームによる
CG技術の進化でしたが、
本当に驚きました。
リアルな動物から
言葉が発せられるあの違和感!
ここまで現実に近づいてしまうと、
こうも気持ち悪くなるのかと。
リアルを追求するのも
如何なものかなと思いながら
鑑賞していました。
(因みに私の様な反応は
「不気味の谷現象」
と呼ばれるそうです)
本作が良かったのはカメラワーク。
攻防戦での揺れる映像や水滴の付着等
カメラを意識させる映像が
CGアニメーションの割に多くなっていて、
モーグリが映るシーンは
カメラで撮られているわけですが、
映らない(おそらく)CGで全て
表現されているシーンでも
虎にグッとよる映像などがあり、
アニメーション畑ではない監督
ならではだと思いました。
木の上での移動を
さらに俯瞰で撮った映像を
実写でやろうとすると
物理的にかなり難しいはず。
この辺りのカメラアングルは
CGの利点をうまく利用していましたね。
いかがでしたか?
映画において“CG”は、
木で言えば“枝葉”の部分。
って毎月のように
言っている気がしますが、
“幹”にあたる“物語”が
本作の場合は100年以上前の短編です。
「ジャングル・ブックという物語が
面白いかどうかを議論するのは、
日本人にとって桃太郎という昔話が
面白いかどうかを議論するのと
同じぐらい難しい」
というご意見が
マンスリー・シネマ・トークで出まして、
「なるほどなぁ」と膝を打ちました。
原作は未読なのですが、
ウォルト・ディズニーの遺作である
1967年公開のアニメーション版
『ジャングル・ブック』は観ました。
こちらは結末が正反対で、
現代だと表現的に
「アウトかな?」と思う所も
なくはないのですが、
「人間という動物も
本能には逆らえない」
という所が描かれているわけで、
極めて納得度が高い結末でした。
それに対して本作は
「結論を先送り=続編製作」という
大人の事情が垣間見える訳で、
納得はし辛いものでした。