いかがでしたか?
レスペール監督
『イヴ・サンローラン』が
財団公認、
さらには
イヴの恋人ピエール・ベルジェの
全面協力があったのに対し、
本作は
そのどちらもありません。
レスペール版と
大きく異なるなと感じたのは
ファッション面と
ベルジェの描き方。
まずファッションについては
やはり財団非公認だけあって
些か弱く感じました。
レスペール版のラストは
財団から過去のアーカイブを借用した
ランウェイシーンでしたが、
本作では
自分たちでドレスを
縫製したそうです。
コレクションを見せるシーンで
多用されていた画面割は
見劣りするのを隠すため
のものでしょうか。
しかし
それが功を奏し
見事な映像となっていました。
またレスペール版での
イヴとベルジェの
良好な関係とは一転、
ボネロ版では
カール・ラガーフェルドの愛人
ジャックとの危険な関係が
色濃く描かれていたのが印象的。
財団非公認がゆえに
ありのままのイヴを描いた
退廃的な雰囲気が
わたしは好きでした。