いかがでしたか。
老人と孫娘の間で
交わされる言葉による会話は
僅か2回!
(だったように思います)
映画開始20分で
初めてセリフが語られるという
寡黙さにまず驚きました。
「この土地は誰のものなの?」
「耕す者の土地だ」
セリフが極端に少ない分、
発せられた言葉は
映画内で残響が続くかのようです。
一方、グルジア兵士の言葉は
多弁で異物感があり、
戦争が日常に潜んでいるということを
暗に示しているようです。
中洲からほぼ動かずに
全編描いたことは
演劇を連想させました。
そして、
その舞台で切り取られるものが、
家を建てたり、
魚を食べたり、
種を植えたりなので、
本作を
人間の根源的な部分を描いた
真のヒューマンドラマ
と呼びたくなります。
この近代的な文化風習を排した造りが、
普遍的な価値観を表現しているとして、
多くの国際映画祭で
賞を獲る結果に至ったのでしょう!
ちなみに
本作と併映されている
『みかんの丘』
も素晴らしい作品です。