『籠の中の乙女』に続き
『ロブスター』が
日本での劇場公開2作目となる
ヨルゴス・ランティモス監督。
突飛な設定に驚きますが、
『籠の中の乙女』を観た方なら
「らしいなぁ」
と認識したかもしれません。
『籠の中の乙女』は
子供を家の外に
出さずに育てる
一家の物語でした。
厳格な父親は
徹底して外の世界を
子供に知らせません。
その結果、
子供は誰から見ても
歪な人間に成長するのですが、
これは
「人間の精神を育むのは
“外的な刺激”によってである」
ということが描かれています。
本作では、
こうした行き過ぎた
「統制」が家庭レベルを超え、
「国家レベル」で行われている世界を
舞台にしています。
本作で描かれるルールは異常ですが、
それを受け容れる人間も異常。
このようなディストピア的世界の
「ルール」が
「少子化対策」として
生まれたものだとしたら、
これは近い将来
そうなるかもしれない「現実」。
『ロブスター』は
ランティモス流SF映画とも言えるでしょう。