いかがでしたか。
現在日本で最も評価を受けている、
と言っても過言ではないメンバーが
集結して製作された本作。
だがしかし、
化けの皮が剥がれた(!?)
と言いたくなる程の出来でした。
その思いは、
マンスリー・シネマ・トーク(MCT)で
ほかの方のご意見を聞いても
拭うことができず。
むしろより本作の粗を
認識する結果となりました。
なぜあそこを変えたのか。
あるいは変えなかったのか。
ことごとく演出をハズしていて、
製作側が原作の持つ魅力を
掴みきれていないことは明らかです。
例を挙げると
枚挙に暇がありませんが、
「トンボ」ではなく
絶対「アリ」ですし、
「観月ありさ」をあえて
そのまま使用することで
原作ファンに目配せする割には、
本当にその層の鑑賞を
見込んでいるのか?
と疑いたくなるほどの出来でした。
声の出演で
役者陣が健闘していただけに残念。
余談ですが、
広瀬すずさんの声が
素晴らしかったと
MCTでは盛り上がりましたよ。
いかがでしたか?
鑑賞料金を取っている以上
「映画」は「商品」ですから、
「売れなければならない」し
「売るための努力を惜しんではならない」と
私(ペップ)は思っています。
が、それ以上に重要なのは
「映画」を「製作」するにあたり
「志が高いか否か」
だと思っています。
ハリウッドと日本、
メジャーとインディ。
「製作費」の差は
如何ともしがたいですが、
こと「志」に関して言えば
差は出ないはず。
元作である岩井俊二監督版は、
TVドラマという「制約」の中で
「限定された自由の切なさ」を描き、
(結果として)スクリーンにも
耐えうる作品を作り上げた、
極めて「志」が高い作品でした。
翻って本作は、
アニメリメイクをし、
主人公たちの年齢を上げ、
「繰り返し」要素をトッピングし、
ラストでは「プール」を「海」に改変し、
「限定された自由の切なさ」は
描かれませんでした。
「映画浮動票(=興行収入)」
の為に製作された作品に
「志」はあったのでしょうか?