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シネマクティフは「映画館で映画を鑑賞するたのしさを伝える」ユニットです

彼女の人生は間違いじゃない
(鑑賞後の方向け)


makochin_review
いかがでしたか。

廣木監督の作品は
以前このサイトでも
『オオカミ少女と黒王子』
を取り上げました。

そのとき書いたように、
廣木監督の脚本・演出には
とても好感を抱いています。

しかし今回の作品は
私の肌に合わなかったようです。

感じたのは
「被災者の心をフィクションで描く難しさ」。

映画の醍醐味は、
それが作りものであるのにもかかわらず、
リアルなものとして
咀嚼し感動できることです。

本作は現実に起きた出来事を
取り扱っているということで、
私の目が必要以上に厳しくなっていた
可能性もありますが、

最後まで
“これはフィクションだ”
という思いが拭えませんでした。

鑑賞後に公式HPを見ると、
劇中に挿入された数々のエピソードは
実際に取材して得たとありました。

つまり、ある意味で
本作は「リアル」だったわけですが、
それでも(少なくとも私には)
「リアル」として受け取ることは
できませんでした。

映画のリアルと
現実のリアルには
「差」があるのです。

pep_review
いかがでしたか?

共通点を感じた
意外な作品というのは、

前回の
マンスリー・シネマ・トーク
のお題であった
『パトリオット・デイ』です。

実際に起こった
ボストンでのテロをベースに描いた作品と
東日本大震災後の福島を描いた本作では、
共通点など全くない
と思われる方も多いでしょう。

私(ペップ)が感じた
両作品の共通点というのは、
被害者や被災者に対する
両監督の「エール」です。

国と監督が異なれば
ここまで「エール」の質が異なる
というのも趣深いのですが、

『パトリオット・デイ』では
「テロ実行犯」を「明確な悪」
として描く事に躊躇がなかった
のに対して、

本作では
「天災後の福島に
致命的な人災をもたらした原発」を
「明確な悪」として描くのではなく、

「そこに住み続けるしかない人々の暮らし」
を描く事で自ずとそれを
「あぶり出す」というもの。

事件や事故の性質は勿論異なるのですが、
アメリカ人と日本人の国民性の違いを
感じずにはおれませんでした。

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