家族を題材に描くことが
多いからでしょうか。
是枝作品に
ほのぼのとしたイメージを
思い浮かべる人は
私(マコチン)だけではないと思います。
しかし是枝監督の本領は、
社会に対する批判的視座にある、
ということを本作を観て
改めて認識させられました。
それは、
タイトルで予告される三度目の殺人が、
三隅ではなく司法によって行われる
という鮮烈な展開が物語っています。
裁判官を悪者にしてしまうことは簡単ですが、
司法とはそもそも人間が生み出したシステム。
三隅への死刑宣告は仕事と割りきり、
利得・効率を重視し、
真実・正義から目を背ける
我々現代人が失った
倫理観の帰結なのです。
『誰も知らない』
でも顕著だった是枝監督の
怒れる眼差しを本作で再見し、
私は興奮を禁じ得ません。
前作『海よりもまだ深く』
も素晴らしかった是枝監督。
ここにきてキャリアの絶頂期に入ったか!?