いかがでしたか。
黒沢清監督が
オール外国人キャスト、
全編フランス語で挑んだ
本作でしたが、
冒頭、
ジャンが屋敷に足を踏み入れた時の
「入ってはいけない」感は、
黒沢作品お馴染みのものと感じ、
日本を離れても
作家性を発揮しているようで
感嘆しました。
芸術家ステファンの
エゴイスティックな一面が
ダゲレオタイプを通して
描かれていましたが、
そこから
マリーを救おうとしたジャンもまた
エゴイスティックだということを
映画は映しています。
ステファンは
過去に囚われている一方、
ジャンは未来に囚われている
と言うことができる
のではないでしょうか。
そこから同じく
幻影を呼び込んでいますが、
この対比が面白かったです。
いずれも
愛が狂気に転じている
ように感じました。
その他には
コンスタンス・ルソーの演技が秀逸で、
ほぼ垂直に落下するシーンや
戸惑いの目の演技など、
いくつも素晴らしいシーンがありました。